……あんたさえいなければ、……私はとっくに、女としての幸せを掴めたのよ……。 あんたの存在が、……私の幸せをいつも邪魔するのよ……。 ………私だってあんたなんか生みたくなかったわよ…。 いいえ違うわ。……あんたと一緒に幸せな家庭を築けたらと思ったわよ…。 ……でも、あんたが生まれる直前にあいつは蒸発したわ。 私と温かい家庭を築くと言って私を騙し、永遠に私の前から消え去ったわ…!! 残ったのはあんただけ。 愛も思い出も何もない!!あの男は今どこへ?私との日々を温かな思い出に勝手に変えて、新しい恋に出会ったかもしれない。 そして今度こそ幸せな家庭を築けたかもしれない…!! そして私は?! あんたがいるッ!! 恋も探せない!! 男は好きに女を渡り歩いて武勇伝気取りッ! なのに女には、私にはッ!!あんたがいる!! あんたという重石がいるのよ、あんたのせいで私は恋を探せない、愛が得られない、一人で生きていくしかない!! いいえ、それさえも許されてないわ、私には一人で酔い潰れたい夜さえ許されていないッ!! あんたは誰?!何者ッ?! 私の人生を台無しにして、私の新しい人生さえ許してくれないあんたは、私の人生の何者なのよ?! 死ねッ消えろッ、あんたなんか生まれて来た時から大嫌いッ!! あんたがお腹の中にいた頃から、大ッ嫌いだったッ!!! それを前向きに受け容れようと、頑張って良き母を演じてきたわ。えぇ、私は頑張った!! 同世代の女性たちが、独身を謳歌し、時に恋に遊び、あるいは愛に結ばれるのを横目に見ながら、私は女と母の二足のわらじを履き続けたわ…!! その私の苦労を、誰がねぎらったの?! 誰も褒めない、讃えないッ!! 自業自得?中古品?バツイチは死ね?処女じゃなきゃ嫌ぁ?!こっちから願い下げよ、ケツの青い童貞のクソガキどもがッ!!! 必死だった私はさぞかし簡単に抱ける女に見えたろうさ、えぇ、必死だったわよッ!! まだまだ恋をしたい年頃の私が、日々を仕事と育児で忙殺されていき、このまま老いてこのまま人生を終えるだろうと悟った時、どれほど必死だったか想像もつかないでしょうよッ!! あんたの本当の父親ももちろん憎いわよ!でも、破局を迎えた責任は私と彼に半々だわ。 私にも、逃げられるだけのしつこさがあったのかもしれない! でも、その後の破局は全部あんたのせいッ!! 私はあんたにそれを詰ったことはあった?!ないでしょおおおぉッ?! 男に逃げられて酔い潰れたいその次の日があんたの授業参観ッ!! 泣き腫らした目を厚化粧で誤魔化して、あんたが的外れな発言をしてクラス中から失笑されてた時の私の気持ちなんて、あんたどころか、世界中の誰にもわからないでしょうよッ!! あんたが嫌い、大ッ嫌い…!!! そしてこれまでにあんたを本当に愛したことなんて、ただの一度もないッ!!! うおああああああぁああああああああぁおおおあああああぁあああぁああああああああああぁあぁあぁぁぁぁああぁッ!!!