特別編2−1

 俺の名前はソリッド=スネーク、これまでに何度も教師達をカンニングという恐怖から救ってきた英雄だ。さて、今回はFOX HOUND中学校からの依頼だ。ん、FOX HOUND中には俺と同じ名前の生徒がいるだって? そこはこの物語の特性であり、これを書いている奴のいい加減さのせいだ。どうせ特別だからって設定をないものにしている。そもそもコレ自体に設定などない。本編だろうが特別だろうが、面白ければいい程度にしか思っていない。
 前置きが長くなった。では、送られてきた依頼内容を説明するビデオを一緒に見ようではないか。俺はブルーレイディスクを、遊びの駅3に入れて再生をした。

 尚、ここから先は、全てビデオに記録されている描写である。


 NOVEL



「だからリキッドは、テストの答えに詳しい私に、答案用紙の窃盗を指示しているの」
 職員室と思われる背景がそこにある。そして映像に映っている官能的な女性。これが今回の依頼者である。しかしその時、映像の中から何かが壊れるような音がした。女性は怯えた様子で音のした方を向き、まるで地震に備えるかのように机の下に隠れた。
「お願い、私を助けに来て」
 尚も音のした方を向く。すると映像に若干の乱れが入った。このブルーレイは欠陥品なのだろうか。
「窃盗の準備はもうすぐ完了しようとしている」
 机の脚から身を乗り出して音のする方を向く。何故じっと隠れていられないのだろうか。
「もう時間がないの、急いで、スネーク―」

 NOVEL PRODUCTION

 次の映像には刺青をした黒人の大男と、髪の赤い女が現れた。この二人も恐らく教師だろう。大男が女の耳元に顔を近づける。スネークはここで、男が女に甘い愛のささやきをすることを期待した。
「二十人はいる。奴らここの中学校FOX HOUNDの生徒じゃない」

 MITANA ORENO TESUTO 4 PENCIL OF THE (PATRIOTS)

 次に映像に現れたのは、小学校によくある、登っていくためだけにある鉄棒の上から、学ランに身を包んだ四人の男子中学生が降りてきた。地面に着くと、彼らはポケットからシャーペンとメモ帳を無駄にカッコいい動きをしながら取り出した。そして彼らは、凛とした顔つきで前方を見た。
「おバカ達だ」
 
a NOVEL WRITER STORY

 中学生達がシャーペンとメモ帳を手にしながら職員室を目指して廊下を走っていく。それを迎え撃とうと職員室に向かう大男、赤髪の女、ビックリマークの髪型の男、マスクをした変態。
「相手はリキッドの悪友達よ。躊躇なしでぶって。やり方は状況で変更するわ。私がポイントマンになる。なめられないで、いい? アイコンタクト」
 赤髪の女が口を全く動かさずに言った。

 OBAKA  SAGA  完結篇

 教師陣が職員室の扉を開けて中に入る。大男とビックリマークが室内を探索する。大男が親指を立てて安全であることを伝える。ビックリマークもそれに続こうとした時であった。彼はいきなり後ろから蹴られた。思わず声をあげる、ビックリと女。すると、テストの答案用紙と解答用紙を手にした中学生が現れ、一目散に職員室から退散しようとしていた。すると女、大男、ビックリの目が鋭く光った。次の瞬間、彼らは目にも留まらぬ速さで中学生の所まで走りより、鉄建制裁を加えた。だが中学生はまだ一人残っている。だがビックリが彼の目の前に現れ、尋常じゃない速さでお尻ペンペンし始めた。最後の三回はゆっくりと、渾身の力を込めて、彼はペンペンした。その手をゆっくりと顔の前に持っていく。ほのかに手から湯気が立ち昇っている。
 それを見ていた教頭がゆっくりと教師陣の中に入っていく。すると、女の声が聞こえた。
「各教師の体内に注入されたナノマシンのネットワークで、仲間の五感を“感じる”ことが出来る。SOPシステムのお陰で、チームが文字通り一心同体となっている。どう? 教頭の時代は終わったのかもね」
 この女は教頭の立場を狙っているのだろうか。すると教頭がゆっくりと喋り始めた。
「俺は教頭じゃない」

 KYOTO 最後の授業

「これまでも―これからも」

 全ての愛が注がれる!

 教頭が体育館らしき所にいる。床には風呂敷がしかれて監視用の望遠鏡が置かれている。そして、その傍にはコーラを飲んでいるチンパンジー(?)がいる。ゲップまでしている。
「いいブツだろ?」
 教頭は驚いて万年筆をチンパンジーに向ける。
「待て。尖ったものを向けるな」
 奥から謎の黒人がハンカチを片手に持って近づいてくる。
「俺は敵じゃない。そしてまだ、味方でもない」
 男は手品を始めた。ハンカチの中から監視カメラが出てきた。男は得意げだ。
「カメラ、鏡の破壊引き受け業者だ。全て、使えなくしてしまう」
 教頭はカメラを持って辺りを見回している。何を見ようとしているのだろうか。
「生徒達が使っている何でも見える監視カメラを、何にも見えなくしてしまう役立たずカメラにハックするんだ。つまり、レンズ曇らせ屋ってとこだ。クラウドとでも呼んでくれ」

 MITANA  ORENO  TESUTO  4