特別編1−2

 俺の名前はソリッド=スネーク、俺達は今、ハンバーガー店の幕怒奈留怒の廃墟で世にも奇妙な物語を体験している。突然聞こえてきた灰色狐ことグレーフォックスの恐怖に満ちた叫び声が聞こえてきた。その声に恐れをなしたEVAちゃんとローズは一目散に逃げ出した。俺と雷電はその後を追っていた。そう、雷電はローズにいじめられるため、俺はEVAちゃんをおそ……、いや守るために追っている。
 なんとか逃げ切った。俺はふと雷電の股間に目をやった。


 負けた……。


 じゃなくて何とチャックが全開になっている。俺はなんとかそれを雷電に教えてやろうと奴の顔を見てから股間に視線をやった。すると腰に手をあて股間を前に突き出して自慢してきやがった。なんか腹が立つ。すると奴はやっと自分のチャックが開いているのに気がついた。それを見た奴の顔は真っ赤になり、すごい速さで俺の前に来て俺のチャックまでも全開にしやがった。
 そういえば聞いた事がある。自分のチャックが開いていると腹をたて、周りにいる奴らのチャックをさげて辱める男、雷電。人々は奴をこう呼んで恐れた。


 チャック・ザ・ジッパー


 と……。
 俺たちは前に進んでいった。この時どうして誰もここから出て行くことを考えなかったのか、しかしそんな事は全然不思議でもなんでもない。こいつらはバカだからな。
 懐中電灯をつけながら前に進んでいく。ふと後ろを見ると雷電の姿がない。ローズがあたふたしている。俺たちは前に進もうとしたその時だった。俺たちの前に雷電が下から懐中電灯の光を顔にあてながら立っていた。うわ、こえーな……。だけど雷電に動く気配がない。それどころか顔色が悪い、というより本当の意味で青い。次の瞬間、雷電が前に倒れた。そして後ろには、あのピエロが立っていた。

 ランランル〜♪


 その洗脳されそうな声を聞いて俺たちは一目散に逃げようとした。だがローズがつまずいて奴に捕まってしまった。ローズはジタバタしながらなんとかピエロから逃げようとするが、ピエロの力は凄まじいらしく、一四歳そこらの女の力じゃ太刀打ちできないのは明らかだった。

 ドナルド・マジック♪

 また奇妙な呪文を口にしたピエロは赤く分厚い唇を尖がらせ、ローズの唇に迫っていく。そして次の瞬間、掃除機がつまったような音が聞こえ、ローズの唇がピエロの唇に思い切り吸われている。俺はそれを見て吐き気を催した。エロ本があれば気分がまぎれるのだが廃墟にそんなものはない! 誰か、誰か俺にエロを!
 そして体中の生気を失ったように表情が青くなったローズがその場に倒れて動かなくなった。ピエロが唇を嘗め回して俺とEVAちゃんの方を見た。


 ランランル〜♪


 EVAちゃんが悲鳴をあげて一目散に逃げ始めた。俺もそれを追う。ピエロがケタケタ笑っている。こんな状況で俺がEVAちゃんを助けたら……。

「スネーク、こっち来て……。ほら、ここ。硬い……、こんなになって……」
「いつの間に……」
「動かないで。私が……、してあげる……」


 うほっほ〜い♪